代々木のボイトレ教室

ブレスヴォイストレーニング研究所

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特別論点

特別論点 Vol.42「新型コロナウイルスと声」

○日本での感染抑制

 

  今回のコロナ禍は、エビデンスなどで判断できるリスクとは到底いえない“不確実”なことです。非常緊急事態では、直観での判断と行動しかありません。政治家、リーダーの短期的な政策と緊急の実行です。時間がたつと手遅れになる可能性があるからです。だからこそ、短期に衆知を集めて徹底して考え尽くす必要もあるのです。

他の国は、今の日本よりはそうした非日常状態に慣れています。戦争、テロ、感染を、歴史だけではなく実地で知っていて備えていることが大きいでしょう。今回のは、各国の対応をリーダーから現場まで、全て比較して改革できる貴重な機会ともなるはずです。

 

〇概要

 

今のところ、感染は、欧米に比べ、東アジアでは抑制されています。日本のリスクマネジメントのなさは、幸いにも弱いウイルスだから助けられているといえます。

まずは、日頃の習慣や文化の差もあるのでしょう。免疫力やこれまでの集団感染、感染歴、抗体なども関係するのでしょうか。(検査数など統計数値に対する信用は、疑い出すときりがありませんが。)

 日本人は、これまで世界中からバカにされるほどマスクに慣れていました。花粉症やPM2.5のせいでもあります。肺炎は、日本人の死亡原因3位になりました。私も一昨年、関連本を出しましたが、誤嚥性肺炎などの防止も含めて、喉や呼吸器に関心が深まっていました。日本では、毎年、肺炎で10万人、誤嚥性肺炎ではそれとは別に4万人、インフルエンザで3千人、呼吸器関連で20万人、亡くなっているのです。(私は、今年に入ってすぐ、研究所で拙書のダイジェストを再配布しました。基本の対策は同じだからです。)

 

○コミュニケーションの変容

 

 大阪のライブハウスでのクラスターもあって、一躍、歌、声が、要因としてクローズアップされました。イベントや居酒屋が自粛に追い込まれました。

日本人は、さほど大声を出さないし、声をかけたり、しゃべる時間も他の国の人より少ないです。欧米をはじめ、アジア、アフリカなどの人も声は大きく、しかも、長時間よくしゃべります。子音が多く、唾液も飛びます。

日本男児は、笑うな、歯を見せるな、泣くな、という「男は黙って」の美徳こそは消えましたが、オタク化で、しゃべり下手の人が増えました。SNSなど、コミュニケーションツールの普及もそれに輪をかけています。おしとやかなナデシコ女子も、メンヘラ化が進みました。若い人に限らず、男女ともに単身でのひきこもり生活が増えています。話が得意でタレント化したような人も若干、いますが、両極化したのです。

 イタリアでは、感染で、人々が窓を開けて声を上げたり歌ったりしていました。日本ではありえない「ロミオとジュリエット」のセレナーデ版です。日本で大声を出すのはスポーツ観戦、ライブコンサート、祭りくらいと言ってきました。逆に考えると、海外の人ほど欲求不満にならないようにも思います。過激な暴走が、街ではなく、ネット上で起きているのですが、不健康なことです。

 本来は、声を発することは、気を発し、カタルシスにもなるし健康保持の手段です。歩くこと以上に、食べる機能を支えるのですから、欠いてはいけないことです。(出版では、「心とカラダを整える1分音読」のシリーズがヒットしているようです。)

オンライン、特にZoomは、音声だけでなく、映像を付けられるのでバーチャルリアリティとして、すぐれたツールとして普及しました。複数が簡単に参加できるので、新たなコミュニケーションとして一般化するでしょう。そこで生じる問題も明らかになり、技術的には、解決されていくでしょう。情報化のよい面とはいえそうです。画面が等分に振り分けられるので「平等になる」とも言われていますが、果たして、そうでしょうか。

 

危機

 

 人間への脅威は、自然災害としては、地震、津波や火山噴火、そして疫病です。新型コロナウイルスは疫病にあたります。人災としては、事故や戦争、今やテロとなります。昔と違って、日本では、飢餓という危機には陥らなくなっているのですから、こうした見えない不確実さは、テロと同様に実際以上にインパクトを与えました。有名人が続けて亡くなると、身近な人が亡くなったようにショックを受けやすくなります。これも、ネット社会の成すことかもしれません。

 1918年スペイン風邪のときは、日本人も国内で45万人、国外で29万人が死亡、電子顕微鏡もなく渡航も少なかったため、ゆっくりと広まったのです。今回、2ヵ月で全世界に広まった感染は、移動のせいです。グローバリゼーション、世界がそれだけ狭くなったからです(今さらですが、今回、全世界で移動と三密を1カ月、同時に止めたら収束したかもしれません)。

世界中で起きていることを誰でもリアルにSNSで発信できるようになりました。マスメディアもそれを借用しています。これまで以上に風評、デマも拡散されます。情報化におけるメディアの役割や取材、編集能力が問われています。

 

○リアルな現場で

 

 ウイルスは、30億年前から生き続け、菌と同じく、人のためにもなっているそうです。私たちは生身の体で、人やものと接触して生きていますから、免疫力が衰えると死にます。このウイルスは、感染したかどうか、感染していても危険なのかどうか、不確実なことばかりです。(こういう弱く不確実なものは、これまで映画でも取り上げられてこなかったでしょう。ドラマチックでないからです。)

 今回、日本が集団免疫策やトリアージに追い込まれることなく切り抜けられるなら、それこそ、そうした事態への対応策を徹底して考えていく必要があります(原発事故や大地震などで東電や自衛隊などにあるノウハウの利用など)。こうした修羅場を直観で次々と手段をとり、対応していくリーダーを選んでいく必要があります。

 ライフラインの保持は、まずは医療現場、そして、必要な物資の運搬(ロジスティクス)関連です。そこは生身の人と人との接触と移動を避けられません。観光客を運ばなくても、運ぶ必要のあるものはたくさんあります。マスクも防護服も生産を海外に依存、呼吸機器など医療体制も不充分でした。(検査機器などは、日本でつくっていたのに海外でしか使われていなかったとか。)

 日本でもマイナンバー使用などで、国家での情報管理化が促進しそうです。管理も保持も有効活用もできない国だけに心配です。今回も「電話がつながらない」「窓口に行列」というのが目立ちました。「手続きは、オンラインより郵送の方が早い」とか。捺印のためだけの出社とか。

日本では、またもや国家としての危機対応能力がなく、コンセンサスがとれないために、多くの混乱と遅れが起きました。いつも徹底して検証し改革しないのは、大問題でしょう。

 

○日本人の生活習慣

 

神道では、禊ぎ、清め、厄払いのオンパレードです。538年に仏教が入り普及したのも、疫病を抑えることが目的としてありました。禊ぎ(みそぎ)と祓(はらえ)は、罪や穢れを除く清めのことです。和食もまた、殺菌作用のある食材や道具を使います。防腐の知恵に関しては、日本人は、伝統的に深い見識をもち、生活に取り入れているのです。

 生活習慣として、手洗い、うがい、洗面は当たり前、風呂に入り洗髪もします。靴を脱ぎ室内でコートもかけ、部屋着に着替えます。多湿な風土ゆえに菌に気をつける一方で、うまく利用して共生してきた文化、風習があります。キスやハグをしあう身体接触の習慣をさほど受け入れてきていません。ソーシャル(フィジカル)ディスタンシングということは、意識せずとも相当に実行しているのです。

ウイルス感染となると、身体間の距離そのものよりも口や鼻を介する咳や唾液が危険です。それは、しゃべるときや食べるときにうつりやすいのです。そこからは、声や話の問題となります。

私は、近年の日本での異常な嫌臭、デトックスブーム、消臭、殺菌、除菌へのこだわりに、自己免疫力を損ないかねないと警告してきました。「ウイルスが蔓延すると日本人だけ滅びかねない」と。ですが、今回は、幸いにも当てはまらず、よい方に出ているようです。

 

ヴォイストレーナーからのアドバイス

 

 研究所スタジオでは、オンラインレッスンを取り入れると共に、個人用にスタジオレンタルをしてきました(自主練習にカラオケスタジオなど利用できない人のため)。

スタジオ内をビニールで分け、対面しないレッスンにしています。アルコール、次亜塩素酸水ほか衛生管理を徹底しています。人が対面せず、人の触ったものに触れることがなければ、ほぼ感染を抑えられるというのが基本対策です。

レッスン時にマスクを着用するのかは、クライアントとトレーナーと相談の上、お互いで、その都度、決めるようにしています。

運動時や発声時のマスクの着用は人によって、体調によって、苦しくなることもあるので、注意することです。

マスクは、本来は、感染させる側の防止手段です。常用によって口呼吸にならないように気をつける必要があります。また、乾燥に気づきにくくなるので、こまめな水分補給を。熱中症にも注意です。(三密でない外部では鼻をだしてもよいし、はずしてもよいと思います。)現実には、他人の咳と発声、加えて会食に配慮することです。換気は、どちらかというと空気感染(対策)として考えた方がよいでしょう。

 「長期戦」ゆえに「完全に安全となること、全てが終わること」を待つのでなく、できるところでできることをしていきます。「ウイルスと共存していく」ということです。

 

〇グローバリゼーションとIT化の先に

 

昨年、16歳のグレタ・トゥーンベリの登場でのフライトシェイム(飛行機で移動することを環境破壊で恥とすること)、香港の民主化デモを考えると、この事態で飛行機もデモも消えたことが象徴的でした。(その後、6月にアメリカ、香港とデモ)グローバリゼーション、民主主義、情報化は、どのテーマとも関わってきます。

グローバリゼーションは、国を越えて世界を動く超富豪をつくり出し、ストックでの経済優位性を確立しました。最大の成り上がりは、情報化、IT化を成しえた人たちです。こうした非常時には、必ず格差や差別の問題がもちあがってきます。弱者がもっとも被害を被るからです。具体的には富の再配分の問題になります。新しい動きを妨げるのは、ミドルクラスの既得権者です。

今回、日本において、国、政府より地方の知事の判断、行動力が勝ったのは、現場優先の事情とリーダーの資質があったからです。(その若さと経歴に着目することです)また、日本の医療現場では、抑制された人数ゆえ、優れた対応ができたようです。感謝です。

本質的な問題は、経済活動の再生のためといって、どこまで元に戻してよいのか、ということです。同じようにしては、よくないのではないのかという観点が必要です。特に原因ともなった環境問題からの見直しです。

 

こうしたテーマに関するキーワードを列記しておきます。

権力、国家と地方、政治家と官僚、縦割り行政組織、厚労省と文科省(大学研究室)

グローバリゼーション、海外依存、マスク、防護服、呼吸器[中国発(WHO議長、エチオピア、イタリア、アメリカ、ブラジル)[検事定年制、9月入学、黒人デモ、香港デモ]

開発と環境問題

民主主義と独裁、IT化、ID管理、マイナンバー、ZoomPCR検査、抗体検査

「責任」と権限と義務、布マスク、安倍総理、二世三世(政治家、芸能人)、サラリーマン社長、エビデンスと専門家会議、科学ジャーナリズム、メディアの役割、政治家、リーダーの直観、決断力

格差社会、貧困、医療体制、補償、世間と自警団、差別、排他、誹謗中傷

リスクマネジメント、場当たり対応、検査絞り込み←→トリアージ、集団感染策

日本の緊急事態宣言←→ロックダウン、東アジアでの抑制要因は?

ライフライン保持、ロジスティクス、医療業務、運搬・回収業務

接触コミュニケーション、言語と日本文化、清潔、禊ぎ、慣習、世帯、捺印

自然災害、天災(地震、火山)、疫病、テロ(←戦争)←→医学と技術、文明

不確実性←→リスク

生身と死

 

 

[外]       [内]

リアル  ―――  バーチャル

現場   ―――  サイバースペース

モノ   ―――  AI

物流   ―――  ITNet3Dプリンタ

場(ex.医療) ―  オンライン、スマホPCZoom

接触(集合地)―  人、家族、血縁

移動(交通手段)― オンライン、

地域コミュニティ― グローバリゼーション

地縁、血縁、家族― ネット縁(SNS

地産地消 ――― ネットショップ(Amazon、アリババ)

危険   ――― 安全

×イベント

×観光

×ライブスポット

 

IT化進行によるさらなる格差の拡大(安全・保障面)

・弱者への経済的身体的リスク増

・医療・運搬ほかサービス業などでの感情労働の増大

 

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